アリアナ・グランデの歌い方の特徴|ホイッスルボイスとベルティングの使い分け
アリアナ・グランデの歌い方は、ミックスボイス・ベルティング・ホイッスルボイスという3つの発声技術の使い分けが特徴。「no tears left to cry」を例に、それぞれのしくみと真似するときの注意点を解説します。

アリアナ・グランデの歌声は、やわらかいミックスボイスから一転、超高音のホイッスルボイスまで自在に行き来する振れ幅の大きさが特徴です。「no tears left to cry」のような曲では、力強く声を張るベルティングと、澄んだ高音のホイッスルボイスが同じ曲の中で切り替わります。この記事では、その歌い方を支えている複数の発声技術を分けて解説します。
アリアナ・グランデの歌い方、何が特徴的なのか
大きく3つの技術が使い分けられています。中音域を中心とした「ミックスボイス」、声量を保ったまま高音域を突き抜ける「ベルティング」、そして地声・裏声のどちらとも違う超高音域の「ホイッスルボイス」です。
多くの歌手は音域が上がるにつれて声量や声の太さが失われがちですが、アリアナ・グランデの歌唱は高音になっても声の芯が保たれ、さらにその上にホイッスルボイスという別次元の音域が乗る、という構造になっています。
なぜ3つの技術を滑らかに切り替えられるのか
ミックスボイスは、地声の太さと裏声の軽さを両方兼ね備えた声区で、喉を大きく開いたまま声帯を薄く保つことで生まれます。ここからさらに声量を強めていくのがベルティングで、声帯の閉じを強く保ったまま息の圧を上げることで、高音でも太い声のまま押し切ることができます。
一方ホイッスルボイスは、声帯そのものではなく声帯の一部だけを振動させることで出る、口笛のような超高音です。ベルティングとは発声のしくみが根本的に異なるため、単に「もっと高く張り上げる」延長では出せません。喉の力を一度大きく抜き、声帯をごく小さく振動させる感覚に切り替える必要があります。
この3つを一つの曲の中で行き来するには、喉まわりの脱力を保ったまま、必要な瞬間だけ声帯の閉じや息の圧を調整する繊細なコントロールが求められます。
動画で発声のニュアンスを確認する
サビでの力強い発声から、曲終盤の高い音域にかけて、声の圧の使い方がどう変わっているか聴き比べてみてください。声量を保ったまま音域だけが上がっていく感覚がつかめると思います。
真似するときに気をつけたいこと
ホイッスルボイスは技術的な難度が高く、喉の状態を無視して無理に高い音を出そうとすると、声帯を痛める原因になります。まずはミックスボイスとベルティングの土台を安定させることを優先し、声区の切り替えがなめらかにできるようになってから、超高音域の練習に進んでください。
またベルティングは、喉を締めて声を張り上げることとは別物です。喉が締まった状態で声量を上げると、すぐに喉を痛めます。息の支えと声帯の閉じ方が土台にあってこそ、安全に声量を保てます。
自分の声区の切り替えはどうなっているか
ミックスボイス・ベルティング・ホイッスルボイスという段階を踏むには、まず自分の地声と裏声のつなぎ目がどうなっているかを把握することが出発点になります。つなぎ目で声が裏返ったり、力んでしまったりする場合は、症状別の診断でクセを具体的に把握してから練習に進むと、遠回りせずに済みます。



