喉声とは|治し方と改善のコツ・喉に負担をかけない声の出し方
喉声は喉の奥だけで無理に鳴らした、詰まったような声。放置すると声がれや喉の痛みにつながります。なぜ喉声になるのか、喉に負担をかけない声の出し方への治し方を、練習手順つきで解説します。

喉声とは、喉の奥だけを締めて無理に鳴らした、詰まったような・こもったような声のことです。喉に力が入るぶん、声が硬くなったり、少し歌っただけで喉が痛くなったりします。喉声の治し方は、喉の力を抜いて、お腹からの息と体の共鳴を使う発声に切り替えること。この記事では、喉声になる原因から、自宅で今日からできる改善の練習手順まで、順番にやさしく解説します。
喉声とは?まず自分でチェックしてみる
喉声とは、声を喉の奥だけで作ろうとして、必要以上に喉に力が入ってしまっている状態の声です。本来、声はお腹からの息の支えと、胸や頭の空間の響き(共鳴)を使って作るものですが、喉声はそのプロセスを飛ばして、喉だけで音量や高さを出そうとしています。
自分が喉声かどうかは、次の3つでチェックできます。
- カラオケで1〜2曲歌っただけで喉が痛い・声がかすれる:喉の筋肉だけで発声を支えている証拠です。
- 高い声を出すと、喉のあたりがぐっと締まる感覚がある:喉頭(こうとう=喉仏のあたり)が持ち上がり、力任せに音を押し出しています。
- 声が硬く、こもったように聞こえると言われたことがある:響きが胸や頭に抜けず、喉の中で詰まっている状態です。
3つのうち1つでも当てはまるなら、喉声の傾向があります。喉声そのものは病気ではなく、発声のクセなので、練習で改善できます。
なぜ喉声になるのか
喉声になる原因は、多くの場合「喉より下(お腹・息)」と「喉より上(口の中・鼻の奥の響き)」をうまく使えず、喉だけで頑張ってしまっていることにあります。
- お腹からの息の支えがない:息を体の奥から送り出せていないと、声を出すために喉の筋肉に頼らざるを得なくなります。腹式呼吸ができていない人ほど喉声になりやすいのはこのためです。
- 喉に力を入れる癖がついている:大きな声や高い声を出そうとするとき、喉を締めて押し出す出し方に慣れてしまっていると、普段の声でも同じクセが出てしまいます。
- 響きの通り道が使えていない:声を鼻や口の中の空間に響かせず、喉の中だけで鳴らそうとすると、こもった詰まった音になります。
つまり喉声は、喉が「悪い」のではなく、喉以外のパーツ(息・共鳴)が仕事をしていないぶん、喉が過剰に頑張ってしまっている状態です。治し方の方向性は、喉の力を抜きながら、息と共鳴に仕事を分担させることになります。
喉声の治し方|自宅でできる3ステップ
喉声を改善する近道は、「①喉の力を抜く → ②お腹から息を送る感覚をつかむ → ③響きを前に集める」の順で、喉が担っていた仕事を息と共鳴に少しずつ渡していくことです。次の手順を1日5分から試してみてください。
- 脱力リップロール:唇を軽く閉じ、息を出しながら「ぶるるる」と唇を震わせます。喉に力を入れたままだと唇が震えないので、これ自体が「喉の脱力チェック」になります。10秒×3セット。
- ため息発声:軽く「はぁ〜」とため息をつき、その息にそのまま「あー」と声を乗せます。喉で頑張らず、息が自然に声に変わる感覚をつかむのが目的です。5回。
- 鼻に軽く響かせるハミング:口を閉じて「んー」と、鼻の付け根あたりに振動を感じるように声を出します。響きが鼻の奥に集まると、喉の負担がふっと軽くなるのを感じられます。10秒×3セット。
NG例として、喉声を直そうとして「もっと喉を開けよう」と力むと、逆に別の場所に力が入り、余計に喉が締まることがあります。喉声の治し方は「頑張って直す」のではなく「力を抜いて、他のパーツに仕事を渡す」という意識で取り組むのがコツです。
お手本を聴いてみましょう
男性の声:
脱力リップロールで、喉に力を入れず、キーを上げながら声を出していくお手本です。唇の震えが途切れず、喉が締まらないことを目指します。
参考動画
以下の動画が参考になります。
喉声を放っておくとどうなるか
喉声のまま歌い続けると、声帯(せいたい=声を作る2枚のヒダ)に負担が集中し続けます。短期的には声がれ・喉の痛みという形で現れますが、長期的には声帯が疲労しやすい状態が定着し、高い声がますます出にくくなったり、少し話しただけで声が疲れやすくなったりすることがあります。
「歌うたびに喉が痛い」「声がすぐかすれる」状態が続く場合は、喉声の改善に取り組むタイミングです。なお、練習をしても喉の痛みや違和感が長く続くときは無理をせず、耳鼻咽喉科など専門医に相談してください。
高い声を出そうとして喉声になる人へ
喉声は、とくに高い声を出そうとするときに強く出やすい症状です。喉を締めて音程を押し上げようとする「張り上げ」に近い状態で、高音で喉が締まる・張り上げてしまう人へ|脱力して高音を出す練習で解説している改善方法とも共通する部分が多くあります。あわせて読むと、喉の力を抜く感覚がつかみやすくなります。
反対に、声がかすれて弱く、通らないタイプの喉声もあります。この場合は喉を締めているというより、声帯がうまく閉じられていないことが原因のことが多く、声が息っぽい・弱い・通らない人へ|芯のある声を出す練習の練習が近道になります。自分がどちらのタイプに近いか、聴き比べてみてください。
喉声かどうかは、自分の耳だけでは判断しにくい
喉声のやっかいなところは、自分では「これが普通の声」だと思い込んでいて、なかなか気づけない点にあります。歌っている最中の自分の声は、体の中を通っても聞こえるため、実際の響き方とは違って聞こえてしまうからです。
だからこそ、スマホのボイスメモでかまわないので、練習や歌を録音して、少し時間を置いてから聴いてみてください。「思ったより硬い声だった」「高い部分で声が詰まっている」といった、自分では気づきにくいクセが、外から聴くとはっきり見えてきます。
自分の声のクセを見極める部分は、耳だけだと判断が難しいものです。ボイとれのようなアプリでは、出している声の高さや状態がその場でグラフに表示され、力みが強く出ている部分を確認しながら練習できます。自分のつまずきが「喉声・張り上げ」なのか「息っぽさ」なのかがわかると、そこに合った練習に的をしぼれます。
まずは1日5分の脱力リップロールと、週に一度の録音チェックから。喉だけに頼らない発声が体になじんでくると、長く歌っても疲れにくく、こもらない通る声に近づいていきます。



