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カラオケで声が出ない原因|久しぶり・1曲目・朝・後半の場面別に切り分ける

カラオケで声が出ないのは、喉のコンディションが整っていないか、発声そのものにクセがあるかのどちらかです。久しぶり・1曲目・朝・お酒のあと・後半になると出なくなる、という5つの場面ごとに原因のしくみと具体的な対処を解説します。

ボイとれ!編集部ボイとれ!編集部
カラオケで声が出ない原因|久しぶり・1曲目・朝・後半の場面別に切り分ける

カラオケで声が出ない原因は、大きく分けて「喉のコンディションが整っていない」か「発声そのものにクセがある」かの2系統です。そして、この2つはどの場面で声が出ないかで切り分けられます。久しぶりのカラオケ・1曲目・朝・お酒を飲んだあと・後半になると出なくなる——場面ごとに、体の中で起きていることがまったく違うからです。

自分がどの場面でつまずいているかを見つければ、やるべき対処も自然に決まります。この記事では5つの場面ごとに、声が出ないしくみと具体的な対処を解説します。

そもそも「声が出ない」とき、喉では何が起きているのか

声は、肺から送り出した息が声帯(喉にある2枚のひだ)を細かく震わせることで生まれます。この仕組みが成り立つには、次の3つが同時にそろっている必要があります。

  1. 息が十分に送れている(呼吸の量と支え)
  2. 声帯がほどよく閉じている(閉じすぎず、開きすぎず)
  3. 喉のまわりが余計に力んでいない(声帯が自由に振動できる)

「声が出ない」という実感は、このどれかが崩れているサインです。息が足りなければ声はスカスカになり、声帯が閉じきらなければ息だけが漏れて芯のない声になり、喉が力んで固まれば声帯が振動しづらくなって声そのものが詰まります。

そして、どれが崩れるかは場面によって決まっています。だから場面から逆算すれば、原因がかなり絞り込めるのです。

久しぶりのカラオケで声が出ない|使っていない筋肉は動き方を忘れる

数か月ぶりにカラオケに行って「昔はもっと出たのに」と感じるとき、まず疑うのは声帯まわりの筋肉が長く休んでいたことです。

声帯の開閉や張り具合は、ごく小さな筋肉が精密に調整しています。しばらく歌わない期間が続くと、この筋肉は弱るというより「協調して動くこと」に慣れなくなります。日常会話は限られた音域・限られた声量しか使わないため、歌で必要な広い音域や大きな声量の動きは、意識的に使わないかぎり眠ったままです。

さらに、久しぶりの人ほどいきなり全力で歌い出しがちです。1曲目から高音のサビを張り上げると、準備できていない筋肉に急な負荷がかかり、力みで固まってしまいます。

対処:入室の10分前から声を起こす

  • 移動中に軽くハミング(口を閉じて鼻に響かせる「んー」)を2〜3分。低め〜中くらいの高さで、力を入れずに。
  • 入室後、1曲目は自分の音域の真ん中で歌える曲を選ぶ。高音のある曲は3曲目以降に回します。
  • 最初の30分は本気の8割の声量で。声が出るようになってから上げていきます。

久しぶりの喉は「弱っている」のではなく「起きていない」だけです。手順の詳細は歌う前のウォーミングアップで解説しています。

1曲目・最初から声が出ない|声帯が温まっていない状態で本番に入っている

「入って最初の1曲だけ声が出ない」「2曲目からは普通に出る」というパターンは、単純に声帯が温まっていない状態です。

声帯も筋肉と粘膜でできているので、運動前のストレッチと同じで、いきなり大きく速く動かすと本来の柔軟さが出ません。冷えた状態では声帯の粘膜がなめらかに振動せず、高音になるほど「引っかかる」「かすれる」感覚が出ます。

対処:1曲目の前に3分だけ準備する

  • リップロール(唇を軽く閉じてブルブルと震わせながら発声)を30秒×3セット。息の量が一定でないと続かないので、呼吸の準備も同時にできます。
  • 中音域のロングトーンを、無理のない高さで5秒×5回。ここで声がかすれるなら、まだ本番に入らない方が安全です。
  • 1曲目は音域が広すぎず、ロングトーンの多い曲を選ぶ。バラード寄りの曲が向きます。

なお、「1曲目だけ出ない」ではなく「2曲目も3曲目も同じように出ない」場合、それはウォームアップ不足ではなく発声のクセの問題です(この記事の最後で扱います)。

朝・寝起きにカラオケで声が出ない|体も声帯もまだ起動していない

朝のカラオケで声が出にくいのには、はっきりした理由があります。

  • 睡眠中は声帯をほとんど使っていないため、起きた直後は動き方が鈍い。
  • 睡眠中に体の水分が失われ、喉の粘膜が乾いている。乾いた声帯はなめらかに振動しにくく、声がかすれやすくなります。
  • 横になっている間に胃の内容物が食道側へ上がりやすく、朝に喉の違和感が残ることがあります。
  • 起き抜けは呼吸が浅く、体幹の支えが入っていないため、息の圧力が声に届きません。

つまり朝は、3条件(息・声帯の閉じ・脱力)のうち少なくとも2つが崩れた状態からスタートしているわけです。

対処:入店の1時間前から動かす

  • 起床後、常温の水をコップ1杯(200mlほど)。冷たい水は喉を縮こまらせるので常温がおすすめです。
  • 入店の30分前までに、軽く体を動かす(歩く・階段を使う)。呼吸が深くなり、息の支えが入りやすくなります。
  • ハミング→リップロール→中音域のロングトーンの順で、合計10分。朝は通常より長めに時間を取ります。
  • 朝イチで高音キーの曲を入れない。最低でも入店から20〜30分は中音域中心で。

お酒を飲んだあと・食後に声が出ない|脱水と喉への刺激

飲み会のあとのカラオケで急に声が出なくなるのは、気のせいではありません。

アルコールには利尿作用があり、飲めば飲むほど体の水分は出ていきます。喉の粘膜が乾けば、声帯は振動しづらくなります。また、アルコールは喉の粘膜を刺激して炎症を起こしやすくし、飲酒中は喉の感覚が鈍くなるため、無理をしている自覚がないまま張り上げてしまうことも重なります。

満腹の状態も声には不利です。胃がふくらむと横隔膜(呼吸を担う筋肉)の動きが制限され、息を深く吸えなくなります。息が足りなければ、その分を喉の力でカバーしようとして力みが増えます。

対処:水と時間を確保する

  • お酒1杯につき、水も1杯。カラオケ中も、ソフトドリンクではなく水か白湯を手元に置きます。
  • 食後すぐは避け、30分以上あける。満腹で横隔膜が動かない状態では、腹式呼吸を使えません。
  • 喉が熱い・ヒリつくと感じたら、その日は無理をしない。感覚が鈍っているサインです。

後半になると声が出なくなる|歌い方の負担が積み上がっている

「最初は出ていたのに、1時間過ぎたあたりから急に出なくなる」——このパターンだけは、コンディションではなく歌い方そのものが原因である可能性が高いです。

正しく発声できていれば、2〜3時間歌っても声はそこまで落ちません。後半で失速するのは、1曲ごとに小さな負担が積み上がっているからです。典型的なのは次の2つです。

  • 高音を喉の力で押し上げている(張り上げ):声帯まわりの筋肉を過剰に使って音を上げているため、疲労が急速にたまります。喉が疲れると、まず高音から出なくなります。
  • 息の量に対して声帯を強く閉じすぎている:声を大きくしようとして声帯を強く押し当てると、粘膜がぶつかり合う衝撃が積み重なり、後半には腫れぼったい感覚が出ます。

後半で声が出なくなるのは「体力の問題」ではなく、喉の使い方の効率が悪いという診断結果です。ここで無理を続けると、声が出ないだけでなくカラオケで声が枯れる状態に進みます。

対処:負担を減らす歌い方に切り替える

  • 原曲キーにこだわらず、無理なく歌えるキーまで下げる(-2〜-3が目安)。声が出なくなる前に下げるのが大事です。
  • 1時間ごとに10分の休憩。休憩中は大声で話さない(歌より会話の方が喉を痛めることもあります)。
  • サビだけ力むクセがないか確認する。サビ前の1小節から肩と首の力を抜いておきます。

高音で喉を締めてしまう感覚が思い当たるなら、喉声の直し方で、喉に頼らない声の出し方を確認してください。

お手本を聴いてみましょう

喉の力を抜いたまま高さを上げていくリップロールのお手本です(男性の声)。キーが上がっても音が途切れず、息の流れが一定に保たれているのが分かります。声を出すときも、この「上げても喉に力を入れない」感覚を目標にします。

動画で確認する

喉が詰まった感覚のまま声を出そうとするとどうなるか、力を抜いたときと比べてどう音が変わるかに注目して聴いてみてください。

声が出ないのが続く・痛みがあるときは無理をしない

数日たっても声が戻らない、声を出そうとすると痛みがある、まったく声が出ない状態が続く——こうした場合は、カラオケの歌い方だけの問題ではない可能性があります。風邪や喉の炎症、声帯そのもののトラブルが関わっていることもあるため、無理に歌わず、耳鼻咽喉科(できれば音声外来のある医療機関)に相談してください。この記事の内容は、健康な状態での発声を前提としたものです。

「毎回出ない」なら、コンディションではなく歌い方のクセ

ここまでの5つの場面を読んで、どれにも当てはまらなかった人へ。

場面に関係なく、いつ行っても・何曲目でも声が出ないのであれば、それはコンディションの問題ではありません。ウォームアップをしても、水を飲んでも、休憩を取っても変わらないなら、原因は発声のクセそのものにあります。

声が出ないと感じる状態は、実は原因が一つではありません。

  • 高音になると喉を締めて張り上げてしまう(張り上げ・力み型
  • ある高さで声がスカッと裏返る・割れる(裏返り型
  • 息が漏れて芯がなく、そもそも声が前に飛ばない(息っぽい・弱い型

同じ「声が出ない」でも、この3つはやるべき練習がまったく違います。張り上げ型の人が声量を出す練習をすればさらに力むだけですし、息っぽい型の人が脱力ばかりしても声は前に出ません。まず自分がどの型かを知ることが、遠回りに見えて一番の近道です。

やっかいなのは、自分の声は自分では正しく聞こえないことです。歌っているときに聞こえているのは、骨を伝わって内側から届く音が混ざったもので、他人が聞いている声とは別物です。だから「張り上げているつもりはない」「息が漏れている自覚はない」となります。

だからこそ、録音して聴き返すことがすべての出発点になります。スマートフォンで1曲録って聴いてみるだけでも、思っていた声との差に驚くはずです。そのうえで、自分の声がどの型に当てはまるかを見極めていきます。声のクセを診断する4タイプで、それぞれの型の特徴と、型ごとに効く練習を確認してください。

ボイトレアプリ「ボイとれ!」では、実際に歌った声を分析して自分の型を判定し、その型に効くレッスン(「張り上げをやめる」「声の裏返りをなくす」など)を出せます。場面ごとの対処で改善しないなら、次は自分の声そのものを見に行きましょう。

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