歌うと喉が痛い原因|歌い方が原因かのセルフチェックと対処法
歌うと喉が痛いのは、風邪や病気ではなく歌い方が原因のことも多くあります。歌い方由来かどうかのセルフチェックと、喉に負担をかけない歌い方への直し方を解説します。

歌うと喉が痛いのは、必ずしも風邪や病気のせいとは限りません。歌い方そのものが喉に負担をかけている場合、練習で改善できることがあります。この記事では、痛みが歌い方由来かどうかを見分けるセルフチェックと、喉に負担をかけない歌い方への直し方を解説します。
歌うと喉が痛いのは、歌い方が原因のことがある
「歌うたびに喉が痛くなる」「サビの高い部分を歌うと喉に違和感が出る」という場合、体調や病気だけでなく、喉に負担がかかる歌い方を繰り返していることが原因になっていることがあります。声帯(せいたい=声を作る2枚のヒダ)は、正しく使えば長時間歌っても大きな負担にはなりませんが、負担のかかる使い方をすると、短時間でも炎症のような痛みが出やすくなります。
ただし、喉の痛みには風邪やのどの炎症など、歌い方以外の原因もたくさんあります。まずは自分の痛みが「歌い方由来」かどうかを見分けることから始めましょう。
歌い方由来かどうかのセルフチェック
次の項目に当てはまる数が多いほど、歌い方が原因である可能性が高くなります。
- 歌っているときだけ、または歌った直後だけ痛みが出る(普段の会話では痛くない)
- 高い声を出すときや、大きな声を出すときに、喉のあたりがぐっと締まる感覚がある
- 痛みが出るのは、いつも同じような箇所(サビの高音、盛り上がる部分など)
- 休めば数時間〜1日程度で痛みが引く
- 発熱・咳・喉の腫れなど、風邪のような他の症状はない
これらに多く当てはまる場合、喉声(のどごえ)や張り上げといった、喉に負担のかかる発声のクセが原因である可能性が高いです。詳しくは喉声とは|治し方と改善のコツ・喉に負担をかけない声の出し方で解説しています。
反対に、発熱・喉の腫れ・数日たっても痛みが引かない・歌っていないときも痛むといった場合は、歌い方以外の原因(風邪や喉の炎症など)が考えられます。この場合は無理に発声練習を続けず、耳鼻咽喉科など専門医に相談してください。
なぜ歌い方が原因で喉が痛くなるのか
歌い方が原因で喉が痛くなるのは、多くの場合、喉の筋肉だけで声を作ろうとしていることが背景にあります。本来、声はお腹からの息の支えと、体の共鳴(響き)を使って作るものですが、これができていないと、喉の筋肉が過剰に働いて声を押し出そうとします。この状態が続くと、声帯どうしが強くこすれ合い、炎症に近い痛みとして現れます。
とくに次のような歌い方は、喉への負担が大きくなりやすい傾向があります。
- 高い声を、喉を締めて張り上げている
- 大きな声を、喉だけで出そうとしている
- ウォームアップなしで、いきなり高い曲・大きい声から歌い始めている
- 乾燥した状態・水分不足のまま歌い続けている
喉に負担をかけない歌い方への直し方
喉の痛みを減らす近道は、喉の力を抜いて、お腹からの息と体の共鳴に発声の仕事を分担させることです。次の手順を1日5分から試してみてください。
- 脱力リップロール:唇を軽く閉じ、息を出しながら「ぶるるる」と唇を震わせます。喉に力が入っていると唇が震え続けないため、脱力チェックにもなります。10秒×3セット。
- ため息発声:軽く「はぁ〜」とため息をつき、その息にそのまま「あー」と声を乗せます。喉で頑張らず、息が自然に声に変わる感覚をつかみます。5回。
- お腹からの息の支えを意識する:歌う前に、鼻から息を吸ってお腹をふくらませ、その息を細く長く吐く練習をしておくと、喉だけに頼らない発声に近づきます。→ 腹式呼吸で歌う方法|歌が変わる息の使い方と自宅練習
歌う前のウォームアップも、喉の痛みを予防するうえで効果的です。喉が温まっていない状態でいきなり高い曲を歌うと、それだけで負担が大きくなります。→ 歌う前のウォーミングアップ|本番直前5分でできる喉の準備運動
参考動画
無理をせず、続くようなら専門医に相談を
喉の痛みを我慢して歌い続けると、負担が積み重なって声帯に大きな負荷がかかることがあります。歌っている最中に痛みが強くなった場合は、その日は無理をせず歌うのをやめましょう。
また、練習をしても喉の痛みが長期間続く、歌っていないときも痛む、声がれが治らないといった場合は、発声のクセだけが原因ではない可能性があります。自己判断で練習を続けず、耳鼻咽喉科など専門医に相談してください。
自分の歌い方のクセを、録音で確かめる
喉が痛くなる歌い方をしているかどうかは、自分の耳だけでは意外と気づきにくいものです。歌っている最中の自分の声は、体の中を通って聞こえるため、実際にどれだけ喉に力が入っているかが分かりにくいからです。
だからこそ、スマホのボイスメモでかまわないので、練習を録音して聴き返してみてください。「思ったより硬い声だった」「高い部分で声が詰まっている」といった、自分では気づきにくいクセが、外から聴くとはっきり見えてきます。
自分の声のクセを見極める部分は、耳だけだと判断が難しいものです。ボイとれのようなアプリでは、録音した声を症状別に診断し、喉に力みが強く出ている部分を確認しながら練習できます。→ あなたの声のクセはどのタイプ?4つの症状と直し方【セルフ診断】
歌うたびに喉が痛いのを「そういうものだ」と諦めず、まずは歌い方由来かどうかを見極めるところから始めてみてください。喉だけに頼らない発声が身につけば、長く歌っても痛くなりにくい声に近づいていきます。



