ボイストレーニングとは|やり方5ステップと自宅での始め方【1日15分】
ボイストレーニングとは、呼吸・発声・共鳴という声を出すしくみを鍛えるトレーニング。今日から始めるやり方を、回数・時間つきの5ステップ(合計15分)で解説。自宅でのやり方、教室・独学・アプリの違いまでまとめました。

ボイストレーニングとは、声の出し方(発声)を正しい手順で練習し、高い声・声量・音程などの弱点を改善していくトレーニングのことです。歌を上手くするためだけでなく、話し声を通しやすくする目的でも使われます。この記事では、ボイトレの中身を説明したうえで、**今日から自宅でできるやり方を、回数・時間つきの5ステップ(合計15分)**にまとめて解説します。
ボイストレーニングとは?何を鍛えるものか
ボイストレーニングとは、呼吸・発声・共鳴といった「声を出すしくみ」を、正しい手順で少しずつ鍛えていくトレーニングです。筋トレが体の特定の筋肉を鍛えるように、ボイストレーニングは「息の使い方」「声帯の使い方」「響かせ方」を、目的に応じて鍛えていきます。
主に次のような効果を目的に行われます。
- 高い声を、力まず楽に出せるようにする
- 声量を上げて、通る声にする
- 音程・リズムを安定させる
- 声の幅(音域)を広げる
- 滑舌や声の通りを良くし、話し声も聞き取りやすくする
「歌が上手くなりたい」目的で始める人が多いですが、声を仕事で使う人(接客・営業・司会など)が話し声を鍛える目的で取り組むこともあります。
ボイストレーニングの基本|3つの土台
ボイストレーニングは、大きく次の3つの土台の上に成り立っています。
1. 呼吸(腹式呼吸)
声の支えになるのは息です。お腹から息を使う腹式呼吸ができていないと、声が不安定になったり、すぐ疲れたりします。→ 腹式呼吸で歌う方法|歌が変わる息の使い方と自宅練習
2. 発声(声帯の使い方)
声帯をどう使うかで、声質や音域の伸びが変わります。閉じ方が弱いと息っぽい声に、力みすぎると喉が締まった声になります。→ 声帯閉鎖のやり方と鍛え方|通る声・芯のある声を出す練習
3. 共鳴(響かせ方)
同じ声量でも、体のどこで響かせるかで通り方が変わります。鼻腔共鳴などを使うと、力まなくても遠くまで届く声になります。→ 鼻腔共鳴のやり方|響く声を出すコツと練習方法
ボイストレーニングのやり方【5ステップ・合計15分】
「ボイトレのやり方」を調べると練習法が無数に出てきますが、やる順番が決まっていないと効果が出ません。初めての人は、次の5ステップをこの順番どおりに、1日15分だけやってみてください。
ステップ1:喉と体をほぐす(2分)
- 首・肩をゆっくり回す:各方向5回ずつ。力んだ状態で声を出さないための準備です。
- ハミング(ん〜)で低め〜中音域を上下する:20秒×3セット。鼻のあたりがムズムズ響けばOK。
いきなり声を張らないこと。ここを飛ばすと、次のステップで喉に負担がかかります。
ステップ2:リップロールでウォームアップ(3分)
唇を軽く閉じて「プルルル」と震わせたまま、低い音から高い音へゆっくり上下します。
- 回数の目安:1回あたり10〜15秒、休憩をはさんで5〜8回
- チェック:途中で唇が止まる・音が途切れるなら、息の量か唇の力みが原因です
- NG例:喉に力を入れて音を上げる(リップロールは「喉を使わずに音を上下させる」ための練習です)
うまく震えない人はこちらを参照してください。→ リップロールのやり方|できない原因とコツ
ステップ3:腹式呼吸でロングトーン(3分)
- 息を吐き切る→鼻から4秒で吸う→お腹を膨らませたまま「スー」と息を吐く:まず呼吸だけで5回
- 同じ支えのまま「アー」と一定の声で伸ばす:10〜15秒×5本(音量は普通の話し声くらいで十分)
- チェック:声が揺れる・途中で細くなるなら、息が続いていないサイン。長さを競わず、まっすぐ一定の太さで出せる長さで切ります
- NG例:肩が上がる呼吸(胸式)のまま声を出す
ステップ4:声帯と共鳴を整える(4分)
- 「ん〜ま〜」のハミング→母音:中音域で10回。鼻に響かせた感覚のまま口を開けて「マー」に切り替えます
- 「ネイ(Nay)」や「ガ」でスケール上下:1オクターブを上下して5往復。声が細く息っぽい人は、この音で芯が出やすくなります
- チェック:喉が締まる・声が裏返るところが出たら、そこが自分の換声点(地声と裏声の切り替わり)です。無理に押し切らず、いったんキーを下げて繰り返します
ステップ5:自分の弱点に絞った練習+録音(3分)
最後に、自分の課題に合わせた練習を1つだけ選び、必ずスマホで録音して聴き返します。
- 高音で喉が締まる → 高音で喉が締まる・張り上げてしまう人へ
- 高音で裏返る → 声が裏返る・換声点をなめらかにする練習
- 声が息っぽい・弱い → 声が息っぽい・弱い・通らない人へ
- 音程が合わない → 音痴の治し方|大人でも音程が合うようになる自宅トレーニング
この「録音して聴き返す」ステップが、独学で一番省略されがちで、一番効きます。 歌っている本人には骨を伝わる音が混じるため、自分の声は実際とは違って聞こえるからです。
いきなり難しい高音や歌の練習から入ると、喉に負担がかかりやすくなります。まずは土台を固めることが、遠回りに見えて一番の近道です。
なお、始めるときに一番気になるのが「どれくらいで効果が出るのか」だと思います。声は筋肉と神経の使い方を覚え直す作業なので、変化が出るまでにはある程度の期間が必要です。目安の期間と、続けているのに効果が出ない人がどこを間違えているのかはボイストレーニングの効果はいつ出る?にまとめています。
ボイストレーニングの自宅でのやり方|声が出せない環境でもできること
ボイストレーニングは、教室に通わなくても自宅で始められます。実際、独学で本格的に上達している人も多くいます。
- メリット:費用を抑えられる、自分のペースで進められる、人前で歌う恥ずかしさがない
- 課題:自分の声を客観的に評価しにくい、何を練習すればいいか迷いやすい
自宅でやるときの3つの工夫
- 大きな声が出せない環境なら「小さい音でできる練習」に寄せる:リップロール・ハミング・エッジボイス・腹式呼吸は、話し声より小さい音量でも成立します。上の5ステップのうち、ステップ1〜2・4は集合住宅の夜でも実行できます。
- 時間帯は「起床から2〜3時間後以降」:起きてすぐは声帯がむくんで高音が出にくく、練習の手応えが正しく測れません。
- 週の頻度は「毎日15分 > 週末に2時間」:声は筋肉と神経の使い方を覚え直す作業なので、短くても頻度を保つほうが定着します。
自宅でのボイストレーニングメニューの組み方は、こちらで詳しく解説しています。→ 自宅でできるボイトレメニュー|1日15分の練習メニューと順番
独学でつまずくのは、たいてい練習メニューそのものではなく「何から・どの順番でやるか」が決まっていないことです。土台づくりから症状別の練習、曲で使えるようにするところまでを3か月の週単位に落とし込んだボイトレ独学90日ロードマップを、進め方の地図として使ってみてください。
ボイストレーニングは教室・アプリ・独学のどれがいい?
ボイストレーニングを始める方法は、大きく分けて3つあります。
- 教室(対面レッスン):講師から直接フィードバックがもらえるが、費用と時間の負担が大きい
- 独学(本・YouTube):無料〜低コストだが、自分の声のクセに気づきにくい
- アプリ:自分の声を録音・診断してもらいながら、費用を抑えて続けられる
それぞれのメリット・デメリットを詳しく比較した記事はこちらです。→ ボイトレはアプリと教室どっちがいい?費用と効果で比較
自分に必要なボイストレーニングを知る
ボイストレーニングは、目的や弱点によって取り組むべき内容が変わります。「高音が出したい」のか「音痴を直したい」のか「声量を上げたい」のかで、鍛えるべきポイントは全く違います。
- 高音が苦手 → ミックスボイスの出し方|地声のまま高音を楽に出す練習方法
- 音程が合わない → 音痴の治し方|大人でも音程が合うようになる自宅トレーニング
- 声が小さい・通らない → 声量を上げる方法|通る声・大きい声を出すコツと練習
- 声の印象そのものを変えたい → 声質を変える方法|歌う声のハスキー・通る声・柔らかい声の作り方
やみくもに練習するより、自分の声のクセ(症状)を先に知ってから、必要なトレーニングに絞るほうが、効率よく上達できます。
歌の練習アプリ「ボイとれ!」は、録音した声を症状別に診断し、その人に必要なボイストレーニングメニューを自動で組んでくれます。プロのお手本と一緒に発声し、録音して聴き返し、定期的に診断し直して変化を実感する——このループを毎日の練習に取り入れられます。まずは自分の声のタイプを知るところから始めてみてください。



