発声練習のやり方|順番を間違えると効果が出ない。目的別3メニューと1日15〜25分の組み方
発声練習のやり方は目的で変わります。ウォームアップ・基礎(呼吸/声帯/共鳴)・弱点別の3種類に分け、正しい順番と毎日続けるコツを解説。自分に合わない練習を続けても効果が出にくい理由も紹介します。

発声練習のやり方は、目的によって内容が変わります。「声を出しやすくするウォームアップ」なのか「音域を広げる練習」なのかで、選ぶべきメニューが違うからです。目的別の発声練習メニューと、毎日続けるためのコツを解説します。
発声練習とは?目的で内容が変わる
発声練習とは、声を出すための体(呼吸・喉・共鳴)を整え、鍛える練習の総称です。ひとくちに発声練習といっても、目的によって内容は大きく変わります。
- ウォームアップとしての発声練習:歌う前・話す前に喉をほぐし、いきなり本番で喉に負担をかけないための準備
- 基礎を鍛える発声練習:呼吸・声帯の使い方・共鳴といった、声の土台そのものを底上げする練習
- 弱点を直す発声練習:高音が出ない・音程が合わないなど、個別の課題に絞った練習
「発声練習」とだけ調べて出てくるメニューを闇雲にこなすより、今の自分が何のためにやるのかを意識すると、効果を実感しやすくなります。発声練習は、呼吸・発声・共鳴を鍛えるボイストレーニング全体の中の一部です。ボイトレの全体像とやり方の5ステップから整理したい方はボイストレーニングとは|やり方5ステップと自宅での始め方を先に読むと、発声練習がどこに位置づくか分かりやすくなります。
目的別|発声練習の基本メニュー
①ウォームアップの発声練習(合計3〜5分)
歌う・話す前に、喉をやさしく目覚めさせるための練習です。
- リップロール(1〜2分):唇を震わせながら「うー」と低い音から高い音へ、5音ずつ上下させるのを3セット。喉の力みを抜くのに最適。→ リップロールのやり方と効果|できない人向けのコツ
- ハミング(1〜2分):鼻の奥に響かせるように「んー」と5秒伸ばすのを5回。鼻の付け根がビリビリ振動していれば正しくできているサインです。共鳴の準備運動になります。
カラオケに行く前や本番前は、この練習に加えて、音域が広すぎずロングトーンの多い曲を1曲目に選ぶこと自体もウォームアップになります。→ カラオケの発声練習になる曲|1曲目のウォームアップにおすすめの音域つき曲リスト
本番直前の5分だけで完結する短縮版のウォーミングアップ手順は、こちらにまとめています。→ 歌う前のウォーミングアップ|本番直前5分でできる喉の準備運動
NG例:いきなり大きな声で歌い始める、高音のフレーズから練習を始める。喉が温まっていない状態でこれをやると、声帯に負担がかかりやすくなります。
②基礎を鍛える発声練習(合計5〜10分)
声の土台そのものを底上げする練習です。
- 腹式呼吸(2〜3分):仰向けに寝て、お腹に手を当てながら鼻から4秒吸って8秒かけて吐く呼吸を5〜8セット。→ 腹式呼吸で歌う方法|歌が変わる息の使い方と自宅練習
- ロングトーン(2〜3分):出しやすい高さの「あー」を10秒間、音量を一定に保ったまま伸ばすのを5回。息が続かず声が小さくなっていく箇所があれば、そこが息の支えの弱いポイントです。→ ロングトーンのやり方|声を安定して長く伸ばす練習方法
- 声帯閉鎖の練習(2〜3分):エッジボイスや「Baa」の発声で、声帯の閉じ方を整え、息漏れのない芯のある声にする。→ 声帯閉鎖のやり方と鍛え方|通る声・芯のある声を出す練習
③弱点別の発声練習
自分の課題に絞った練習です。それぞれの記事で、具体的なステップ・回数・NG例を解説しています。
- 高音が出にくい → 高い声の出し方|地声のまま高音を力まず出すコツと練習
- 声が小さい・通らない → 声量を上げる方法|通る声・大きい声を出すコツと練習
- 音程が合わない → 音痴の治し方|大人でも音程が合うようになる自宅トレーニング
発声練習の正しい順番
いきなり難しい練習から始めるのではなく、次の順番で行うと喉への負担が少なく済みます。
- ウォームアップで喉をほぐす(3〜5分)
- 基礎(呼吸・声帯・共鳴)を整える(5〜10分)
- 自分の弱点に絞った練習をする(5〜10分)
合計で1日15〜25分程度が目安です。順番を飛ばして、いきなり高音や音域拡張の練習に入ると、喉を痛めるリスクが高まります。特に基礎ができていない状態での無理な発声練習は逆効果です。
発声練習を毎日続けるコツ
- 短時間でいいので毎日行う:週末にまとめて1時間やるより、毎日15分のほうが定着しやすく効果的です
- 声を出しにくい環境では、小さい声でできる練習を選ぶ:リップロールやハミングは声量を抑えても効果があります
- 無理な高さ・強い声を避ける:喉に違和感や痛みが出たら、その場で中止してください
発声練習の効果を実感するために
発声練習は、続けているとじわじわ変化していくものですが、その場では気づきにくいものです。週に1回、同じフレーズ(「あー」のロングトーンなど)を10秒だけ録音しておくと、1ヶ月後に聴き比べたときに、音の安定感や伸びの変化を実感しやすくなります。
自宅での発声練習を、より体系立てた1日のメニューとして組みたい場合はこちらも参考にしてください。→ 自宅でできるボイトレメニュー|1日15分の練習メニューと順番
自分に必要な発声練習を選ぶために
発声練習の種類はたくさんありますが、自分の声のクセに合わない練習を続けても、なかなか効果が出ません。息が漏れやすい人が声量アップの練習をしても的外れですし、喉が締まりやすい人がいきなり高音の練習をすると逆効果になることもあります。
歌の練習アプリ「ボイとれ!」は、録音した声を症状別に診断し、その人に必要な発声練習だけを選んでメニューを組んでくれます。目的が分からないまま闇雲に練習するより、自分の弱点に合わせた発声練習を選ぶほうが、上達への近道になります。まずは自分の声のタイプを知るところから始めてみてください。→ あなたの声のクセはどのタイプ?4つの症状と直し方【セルフ診断】



