ミックスボイス・高音

キタニタツヤの歌い方|「青のすみか」の換声点と「火種」のがなり声の出し方

キタニタツヤは「青のすみか」で地声と裏声を瞬間切り替え、「火種」ではアグレッシブながなり声を使い分ける振れ幅が特徴です。

ボイとれ!編集部ボイとれ!編集部
キタニタツヤの歌い方|「青のすみか」の換声点と「火種」のがなり声の出し方

キタニタツヤの歌い方の特徴は、地声(チェストボイス)と裏声(ファルセット)を瞬間的に切り替える換声点(かんせいてん)コントロールと、曲によっては喉を鋭くこすらせる「がなり声」まで使い分ける振れ幅の広さにあります。呪術廻戦のオープニングとして知られる「青のすみか」と、アニメ「日本三國」オープニングの「火種」を聴き比べると、同じ人の声とは思えないほど質感が変わる瞬間があります。

「青のすみか」サビの地声⇄裏声の瞬間切り替え

「青のすみか」のサビでは、裏声をG#4あたりまで張り上げるように使ったすぐ直後に、A#4という高い音を今度は地声で歌う箇所があります。裏声で浮かせた声をそのまま伸ばすのではなく、直後により高い音を地声で当てにいく——この地声と裏声の瞬間的な入れ替えこそが、サビの一番の聴きどころだと言われています。

裏声から地声へ切り替える瞬間は、声帯の閉じ方を一瞬で変える必要があるため、力任せにやると喉が詰まったり声が割れたりしやすい場所です。曲全体としても、鋭く突き刺すような硬質な音色と透明感のある響きが同居していて、アクセントの効いたフレーズ・裏声・ささやくようなウィスパーボイスを要所要所に配置する緩急のある歌い方が特徴とされています。

低い音域ではしっかりした地声を軸にしつつ、高い音域に上がるほど地声成分と裏声成分を混ぜる「ミックスボイス」に近い発声(高音域で地声6割・裏声4割程度とも言われるバランス)を使っていると考えられます。声帯の閉鎖をある程度保ったまま裏声の軽さを混ぜることで、芯のある力強さと高音の伸びやかさを両立させているというわけです。この感覚は、地声から裏声で裏返る・換声点でひっくり返る人へ|つなぎ目をなめらかにする練習で解説している「つなぎ目をなめらかにする」考え方に近いものです。

ここで解説しているのは「キタニタツヤがどう声を作っているか」という視点ですが、「自分は原曲キーで青のすみかを歌えるのか」を知りたい場合は、曲の最低音・最高音を整理した「青のすみか」の音域とカラオケのキー目安のほうが実用的です。

「青のすみか」で地声⇄裏声の瞬間切り替えを聴く

サビで裏声から地声へ切り替わる瞬間、声質がどう変わるかに注目してみてください。

「火種」で聴けるアグレッシブな"がなり"

一方、「日本三國」オープニングの「火種」は、疾走感のあるサウンドに乗せてキレのある言葉を畳みかける曲で、感情を焦がすようなアグレッシブな歌唱、いわゆるエッジの効いた「がなり声」を随所で使っているのが特徴です。「青のすみか」の透明感のある裏声とは対照的に、こちらは声帯をあえて強くこすらせるような硬質な音色で押し切る場面が多く聴こえます。

「がなり声」は声帯の一部を強く閉じてノイズ成分を混ぜる技術で、感情の高ぶりや疾走感を表現するのに向いていますが、喉への負担が大きい発声でもあります。この技術そのものについては、エッジボイスの出し方|コツと練習方法・歌での使い方で基礎から解説しています。

真似するときは喉のケアを忘れずに

「青のすみか」の地声⇄裏声の瞬間切り替えも、「火種」のがなり声も、いずれも喉への負担が大きい高度な技術です。真似して練習するときは、いきなり本家と同じ強さ・高さを狙わず、まずは無理のない音域で切り替えの感覚だけをつかむところから始めるのがおすすめです。喉に痛みや違和感が出たら、その場で練習を中断して休ませることを優先してください。

自分の声が「張り上げて力んでしまうタイプ」なのか「裏返りやすいタイプ」なのかは、実は自分で歌っている感覚だけでは正しく判断しにくいものです。歌っている最中は骨を伝わる振動が耳に混じるため、実際に出ている声とは違って聞こえるからです。だからこそ、切り替えの練習は録音して聴き返すのが確実です。

歌の練習アプリボイとれ!では、録音した声を症状別に診断し、あなたの声のクセに合った練習メニューを提案します。ほかのアプリと比べてどう選ぶかはボイトレアプリおすすめ10選【比較表】にまとめました。まずは自分のタイプを知りたい方は、あなたの声のクセはどのタイプ?4つの症状と直し方【セルフ診断】から一度チェックしてみてください。

#キタニタツヤ 歌い方#青のすみか#火種#換声点#がなり声#ミックスボイス

関連する記事

音域を広げる方法【男性】頭打ちの正体は換声点|詰まり方3タイプ別の練習手順
ミックスボイス・高音

音域を広げる方法【男性】頭打ちの正体は換声点|詰まり方3タイプ別の練習手順

男性の音域が頭打ちになるのは才能ではなく、換声点の扱い方でつまずいているから。しかも詰まり方は「張り上げ型・裏返り型・息っぽい型」の3タイプで、やるべき練習は正反対です。タイプ別の練習手順を回数つきで、逆効果になる練習と低音側の伸ばし方まで解説します。

ボイとれ!編集部ボイとれ!編集部
ヘッドボイスとは?ファルセット(裏声)との違いと出し方・出ないときの原因
ミックスボイス・高音

ヘッドボイスとは?ファルセット(裏声)との違いと出し方・出ないときの原因

ヘッドボイスとは、声帯を閉じたまま鳴らす芯のある高音のこと。息が多く漏れるファルセット(裏声)との違いを、聴き分け方と出したときの体感の両面から整理し、4ステップの出し方・NG例・出ないときの原因の切り分けまで解説します。

ボイとれ!編集部ボイとれ!編集部
【プレスリリース】ボイトレアプリ「ボイとれ!」が声の"症状別診断"で独学の新習慣を提案|iOS・Androidで提供開始
ミックスボイス・高音

【プレスリリース】ボイトレアプリ「ボイとれ!」が声の"症状別診断"で独学の新習慣を提案|iOS・Androidで提供開始

ボイトレアプリ「ボイとれ!」は、録音した声を「張り上げ・裏返り・息っぽい・つながった声」の4タイプに診断し、弱点に合わせた専用レッスンとお手本音声で独学の上達を伴走します。カラオケ採点では上達せず、教室は高くて通えない——その間を埋める「独学の伴走者」として、iOS/Androidで提供中です。

ボイとれ!編集部ボイとれ!編集部