裏声の練習曲|音域つきおすすめとタイプ別の選び方
裏声の練習曲を、実際の音域データとともに紹介。「First Love」「ドライフラワー」「白日」「マリーゴールド」など具体的な曲名と、タイプ別の選び方を解説します。

裏声の練習曲は、有名な曲を丸暗記するより「自分の裏声がどこでつまずいているか」に合っているかで選ぶほうが上達が早くなります。この記事では、実際に裏声を多く使う代表曲を音域データつきで紹介したうえで、練習曲を選ぶときに見るべき観点も解説します。
まず知っておきたい、代表的な練習曲と音域
「裏声の練習曲」としてよく挙げられる曲を、実際の音域(最低音・最高音)とともに紹介します。
| 曲名 | アーティスト | 音域の目安 | 練習になるポイント |
|---|---|---|---|
| First Love | 宇多田ヒカル | E3〜地声最高音D#5(裏声最高音F5) | Aメロの低さからサビにかけて、地声と裏声の両方を使い分ける練習になる |
| ドライフラワー | 優里 | G3〜地声最高音A4(裏声最高音C5) | サビ終盤の裏声最高音C5に向けて、地声から裏声へ抜けていく感覚がつかみやすい |
| 白日 | King Gnu | A#2〜地声最高音B4(裏声最高音F#5) | 井口理パートの裏声が随所に登場し、ウィスパー気味の裏声から芯のある裏声まで幅広く練習できる |
| マリーゴールド | あいみょん | F#3〜B4 | 音域自体は広すぎないが、フレーズの端々で軽く裏声に抜ける感覚を掴みやすい |
これらの曲に共通するのは、地声だけで押し切るのではなく、どこかで裏声に「抜ける」瞬間があるという点です。原曲キーがきつい場合は、まずキーを下げて同じフレーズの感覚だけをつかむところから始めても構いません。
曲名を丸暗記するより「選ぶ観点」を持つほうが伸びる
上の表の曲が合わなくても心配いりません。大切なのは、曲名そのものよりも「その曲がどんな裏声の使い方を要求してくるか」を見る目を持つことです。同じ「裏声が出てくる曲」でも、地声からふわっと抜けるように移行する曲もあれば、いきなり高い裏声から入る曲、裏声だけで長く伸ばす曲もあり、鍛えられる部分がまったく違うからです。
練習曲を選ぶ3つの観点
1. 地声から裏声への「抜け」がゆるやかな曲か
裏声の練習になる曲は、地声の高さから少しずつ裏声に移っていくフレーズがある曲です。いきなり高い裏声から始まる曲は、最初のうちは喉に力が入りやすく、裏声そのものの感覚をつかみにくくなります。まずはAメロやBメロで地声から裏声へゆるやかに移行する箇所がある曲を選ぶと、抜ける感覚をつかみやすくなります。
2. 裏声を伸ばす箇所があるか
裏声のワンフレーズだけで終わる曲より、裏声のまま音を1〜2拍以上伸ばす箇所がある曲のほうが練習になります。一瞬だけ裏声を使う曲は勢いでごまかせてしまいがちですが、伸ばす箇所があると、その一音でずっと同じ声の状態を保つ練習になり、かすれや息漏れに気づきやすくなります。
3. 原曲キーのまま、無理なく歌えるキーの曲か
原曲キーが高すぎる曲を「頑張って」裏声で出そうとするのは、練習ではなく我慢大会になりがちです。カラオケのキー変更機能を使い、今の自分が力まず出せる高さまで下げたうえで、そこから少しずつキーを上げていくほうが、着実に裏声の音域を広げられます。
タイプ別|つまずきに合わせた練習曲の探し方
同じ「裏声の練習」でも、あなたがどこでつまずいているかによって、選ぶべき曲の性質は変わります。自分の症状に近いものを確認してみてください。
裏声がかすれる・弱い・通らない人
かすれや息っぽさが気になる人は、裏声のロングトーンがはっきり聴こえる曲(上の表なら「マリーゴールド」のような軽やかな曲)を選び、一音の芯がどれくらい保てるかを確認する練習が向いています。曲選びの前に、まず芯のある声の感覚をつかんでおくと、どんな曲を選んでも通る裏声になりやすくなります。→ 声が息っぽい・弱い・通らない人へ|芯のある声を出す練習
サビで声が裏返る・換声点でひっくり返る人
裏返りグセがある人には、地声から裏声へ段階的に音が上がっていく曲が向いています。「白日」のような急な跳躍(低い音から一気に高い音へ飛ぶメロディ)が多い曲は、まだ早い段階では裏返りを誘発しやすいので避け、階段状に音が上がる曲から慣らすのがおすすめです。→ 地声から裏声で裏返る・換声点でひっくり返る人へ|つなぎ目をなめらかにする練習
裏声の出し方の基本から知りたい人
そもそも裏声の出し方自体に自信がない人は、曲を選ぶ前に、力を抜いて裏声を出す感覚を先につかんでおくのがおすすめです。→ 裏声の出し方|きれいで芯のある裏声を出すコツと練習
お手本を聴いてみましょう
裏声から地声へのつなぎ目を鍛える練習の一例として、オクターブでつなぐお手本を聴いてみましょう。
男性の声:
King Gnu「白日」の裏声パートを聴いてみる
練習曲選びより先に、自分のタイプを知る
ここまで具体的な曲と選び方のポイントを紹介しましたが、「自分の裏声がどこでつまずいているか」を正確に判断するのは、実は独学だといちばん難しいところです。かすれているのか、力んでいるのか、裏返っているのか——歌っている本人には、骨を伝わる音も混じって聞こえるため、実際の声の状態を正確に把握しづらいのです。
歌の練習アプリ「ボイとれ!」では、録音した声を症状別に診断し、そのタイプに合わせた練習メニューを組んでくれます。自分のつまずきポイントが分かれば、練習曲もおのずと「今の自分に必要な曲」に絞り込めるようになります。曲探しに迷ったときこそ、まず自分の声のクセを知るところから始めてみてください。→ あなたの声のクセはどのタイプ?4つの症状と直し方【セルフ診断】



