「イエスタデイ」(Official髭男dism)の音域は?最低音D#3〜最高音hiC#・裏声hiD#|原曲キーで歌えるかの判定基準
Official髭男dism「イエスタデイ」(映画『HELLO WORLD』主題歌)の音域は、最低音D#3(mid1D#)、地声最高音C#5(hiC#)、裏声最高音D#5(hiD#)。最高音はラストサビに一度だけですが、本当の負荷は通常サビから繰り返し来るhiA#〜hiB帯と、低音との2オクターブ級の往復にあります。原曲キーで歌える人の条件、キーを下げる目安、難所ごとの歌い方を解説します。

この記事で扱うのは、Official髭男dismの「イエスタデイ」(2019年リリース・映画『HELLO WORLD』主題歌)の音域です。ビートルズの「Yesterday」とは別の曲なので、そちらをお探しの方はご注意ください。
結論から言うと、「イエスタデイ」の音域は最低音D#3(mid1D#)、地声最高音C#5(hiC#)、裏声最高音D#5(hiD#)。裏声まで含めるとちょうど2オクターブに達する、幅の広い曲です。原曲キーで歌えるのは、地声でA#4(hiA#)〜B4(hiB)を繰り返し出せて、ラストサビで一度だけ来るhiC#に届く人。多くの男性にとってはキーを2〜4下げるのが現実的なラインです。
イエスタデイの音域データ
| 項目 | 音名(国際式) | 音名(日本式) | 出てくる場所 |
|---|---|---|---|
| 最低音 | D#3 | mid1D# | Aメロ |
| 地声最高音 | C#5 | hiC# | ラストサビ(1回のみ) |
| 裏声最高音 | D#5 | hiD# | 2番の途中(1回) |
地声だけで見ると1オクターブ+10半音、裏声まで含めるとちょうど2オクターブ。J-POPの男性曲としてはかなり広い部類です。
なお、地声最高音のhiC#はラストサビにしか出てきませんが、それに次ぐhiA#(A#4)やhiB(B4)は通常のサビから何度も登場します。「最高音が一瞬だから楽」とは言えない構造です。
※音名の表記について:この記事では「C#5(hiC#)」のように国際式と日本式(カラオケ採点などで使われるmid・hi表記)を併記しています。数字が大きいほど高い音です。
この曲が難しい理由・歌いやすい理由
まず難しさの正体を整理すると、「最高音の高さ」そのものより、サビで居座るhiA#〜hiB帯と、低音とのアップダウンの激しさにあります。
本当の負荷はhiC#ではなく、サビのhiA#〜hiB
hiC#はラストサビに一度だけ。ところがhiA#〜hiBは通常サビの段階から繰り返し出てきます。つまり「一番高い音を一発当てる曲」ではなく、「hiA#〜hiBという十分に高い音域を、曲の後半までスタミナを残したまま何度も往復する曲」です。1番のサビは出せたのに、ラストサビでは喉が上がりきって声にならない——という失速パターンが起きやすいのはこのためです。
低音D#3から始まる、2オクターブ級の往復
イエスタデイのもう一つの特徴は、Aメロの低音部がしっかり作り込まれていることです。最低音D#3を含む低いフレーズで静かに始まり、サビで一気にhiA#〜hiB帯まで駆け上がる。この上下動の幅が大きいため、低音で喉の構え(喉のポジション)を落ち着けたまま、高音への切り替えで力まない技術が求められます。
裏声への切り替えが逃げ場ではなく「聴かせどころ」
2番の途中には裏声の最高音hiD#が出てきます。ここは地声の延長で張り上げるのではなく、きれいな裏声にすっと切り替えられるかが問われる箇所です。地声と裏声の境目(換声点)の処理が雑だと、切り替えの瞬間に声がひっくり返ったような音になり、静かなパートだけに目立ちます。裏声と地声のつなぎ目をなめらかにする練習は、この曲では飾りではなく必須科目です。
歌いやすい面:髭男の曲の中では「休憩」がある
一方で、イエスタデイには歌いやすい面もあります。髭男の楽曲には高音域がほぼ途切れず続く曲が多いのですが、この曲はAメロの低音パートが長めに確保されているぶん、喉を休めながら歌い進められます。高音の連発で体力が持たない人にとって、髭男の中では挑戦しやすい一曲と言えます。ボーカル藤原聡さんの高音が「張り上げ」ではなくミックスボイスで成立しているしくみは、藤原聡の歌い方の解説記事で詳しく扱っています。
原曲キーで歌えるのはどんな人か
実用的な判定基準は次の3つです。カラオケで一度録音しながら試してみてください。
- hiA#〜hiBを「1回」ではなく「サビ2回分」出せるか。 最初のサビだけ出せても、2番以降で喉が締まってくるなら、原曲キーはまだ早いサインです。
- 1曲通した最後に、hiC#が残っているか。 hiC#はラストサビ、つまり一番疲れた状態で来ます。カラオケの最初に出せる音ではなく、「歌い切った後に出せる音」で判定してください。
- 2番の裏声hiD#が、張り上げずに切り替えられるか。 ここで地声のまま突っ込んでしまう人は、キーが高すぎて裏声に切り替える余裕がなくなっている可能性があります。
3つのうち1つでも欠けるなら、キーを下げて歌うほうが確実に上手く聴こえます。
キーを下げる目安
高音に自信がない場合の目安は**−2〜−4**です。
- −2:サビの頻出帯がG#4〜A4付近に下がり、hiAまで地声で出せる人なら通常サビがかなり楽になります。ただし最高音はB4(hiB)で一度だけ残ります。
- −3〜−4:最高音がA#4〜A4に。平均的な男性の上限に近づき、ぐっと現実的になります。
この曲の「下げしろ」は比較的ある、というのがポイントです。最低音がD#3と男性にとって余裕のある高さなので、−4まで下げても最低音はB2。低い声が苦手な人だと沈み始める高さではありますが、lowG台まで落ちる曲のように「下げたら低音が消える」ことにはなりにくい構造です。ただしAメロの低音部はこの曲の聴かせどころでもあるので、下げるほど低音の迫力を保つ技術が必要になります。声量が細くなる場合は低い声の出し方の解説を参考にしてください。
女性が歌う場合は、逆に低音D#3側が出ないことが多いため、キーを+3〜+5上げるか、Aメロだけオクターブ上を検討するのが現実的です。
難所と歌い方
Aメロ:低音D#3付近を「小さい声」にしない
静かなパートですが、音量を落とすことと声の支えを抜くことは別物です。息をしっかり流しながら、口の中の空間を保って響かせると、低音でも輪郭のある声になります。ここで喉の構えが浮つくと、サビへの跳躍で一気に力みます。
サビ:hiA#〜hiBを「張り上げ」で取らない
サビの高音帯を毎回力で押し切ると、ラストサビの前に喉が終わります。息の圧を上げすぎず、地声のまま高い声を力まず出すコツにあるような、喉を押し上げない出し方で「当てにいく」感覚が必要です。
2番の裏声hiD#:事前に裏声だけ練習しておく
曲中で一度だけの裏声最高音は、ぶっつけ本番だと外しやすい音です。曲から切り離して、hiD#付近の裏声を単体で出す練習をしておくと安定します。裏声そのものが息漏れでかすれる人は、きれいな裏声の出し方から整えるのが近道です。
ラストサビ:hiC#は「その1音だけ」に集中しない
最高音を意識しすぎると、直前のフレーズから喉が上がってしまいます。hiC#の手前まではいつものサビと同じ出し方を保ち、最高音だけ息のスピードを少し上げて通過させるイメージのほうが成功率が上がります。
なお、この曲は高音の練習曲を音域つきで比較した記事でも、地声の高音域を繰り返し使う練習曲として取り上げています。同じ髭男で難易度を比べたい人は「Pretender」の音域解説も参考にしてください。
原曲キーで出ない=音域不足、とは限らない
最後に大事なことを一つ。「イエスタデイのサビが出ない」という悩みの原因は、音域が足りないケースばかりではありません。実際には、十分届く高さなのに張り上げて喉を締めている、換声点の処理が乱れて裏返っている、といった出し方のクセが原因のことがよくあります。クセが原因なら、キーを下げても同じ場所で同じ苦しさが再現されます。
やっかいなのは、歌っている本人にはクセが自覚しにくいことです。自分の声は骨を伝わる音が混じって聞こえるため、実際にマイクに乗っている声とはズレがあります。まずは録音して、自分の声がどのタイプのつまずき方をしているかを知るところから始めてみてください。あなたの声のクセはどのタイプ?4つの症状と直し方【セルフ診断】で、症状別の直し方を確認できます。



