「シャルル」(バルーン)の音域と最高音|難所は地声⇔裏声の高速切り替え・原曲キーで歌えるかの判定とキー目安
「シャルル」(バルーン/須田景凪のセルフカバー版)の音域は最低音mid1C#・地声最高音hiA#・裏声最高音hiC#。原曲キーで歌える人の基準、男女別のキー目安、地声と裏声の切り替えのコツを解説します。

「シャルル」は、ボカロP・バルーン(須田景凪)が2016年にv flower(flower)で発表したボカロ曲で、その後バルーン本人によるセルフカバー版も広く歌われています。
この記事ではセルフカバー版のキーを基準にします。音域は最低音がmid1C#(C#3)、地声最高音がhiA#(A#4)、裏声最高音がhiC#(C#5)。地声の幅は1オクターブ+9半音(約1.75オクターブ)に収まりますが、サビでhiC#の裏声が頻繁に飛び出し、地声と裏声を高速で行き来する構造が最大の壁です。
結論から言うと、原曲キーで無理なく歌えるのは「地声のhiA#が出せて、なおかつhiC#の裏声とスムーズに切り替えられる男性」。裏声が苦手な人や地声の高音で喉が締まる人は、キーを下げるかフレーズごとの切り替え練習が前提になります。
なお、Adoや96猫をはじめ数多くのシンガーがカバーしていますが、キーや発声はカバーごとに異なります。この記事はバルーン本人のセルフカバー版のキーを基準に解説します。
シャルルの音域データ
| 項目 | 音 |
|---|---|
| 最低音 | mid1C#(C#3) |
| 地声最高音 | hiA#(A#4) |
| 裏声最高音 | hiC#(C#5) |
| 音域の幅 | 最低音から裏声最高音まで約2オクターブ |
上記はバルーン本人のセルフカバー版の値で、vocal-range.com の分析に沿っています。音域は資料によって半音ほど違うことがあります。地声だけを見ればmid1C#〜hiA#と一般的な男性の音域に近く、決して規格外に広いわけではありません。難しさは音域の広さそのものより、後述する地声と裏声の切り替えにあります。
原曲(flower/ボカロ版)は実音がmid2A#(A#3)〜hihiA#(A#5)と高く、生身でそのままの高さで歌うのは現実的ではありません。1オクターブ下で歌う場合、ボカロ版のキーを+3するとセルフカバー版と同じ高さになります。カラオケでボカロ版のほうを選んだときは、キーを+3してからこの記事の数値で判断してください。
カラオケには曲目が複数あり(JOYSOUNDでは「シャルル/バルーン」のほかに「シャルル - From THE FIRST TAKE/須田景凪」も配信されています)、どの音源かで原曲キーが変わることがあります。歌う前に、サビの高さがこの記事の数値と合っているかを確かめてください。
BPMはやや速めのアップテンポで、テンポ感も歌いやすさを左右します。
シャルルが難しいのは高さより、地声と裏声の速い切り替え
歌いやすい要素
- 地声の最高音hiA#は、男性の高音曲としては突出して高いわけではない
- 最低音mid1C#も無理のない範囲で、低音で潰れる心配は少ない
- メロディがキャッチーで、音の流れを覚えやすい
難しい要素
- サビで地声hiA#と裏声hiC#を短い間隔で行き来する(地声→裏声の切り替えが最大の難所)
- テンポが速く、切り替えを考える時間が少ない
- 裏声hiC#が繰り返し登場するので、裏声が安定しないとサビ全体が崩れる
- 言葉数が多く、息継ぎのタイミングを詰めると失速しやすい
つまりシャルルは「音域の高さ」ではなく「地声と裏声の高速な切り替え」と「速いテンポ」で難易度が上がるタイプの曲です。
原曲キーの分かれ目は、サビの地声hiA#を張り上げずに出せるか
判断基準はひとつに絞ります。サビの地声hiA#(A#4)が、張り上げずに出せるかどうかです。ここが地声のピークなので、hiA#が苦しい人は原曲キーだとサビ全体で喉を締めることになります。
裏声のhiC#はhiA#より高い音ですが、裏声は地声よりも高い音を出しやすいため、hiA#の地声が安定して出せる人なら裏声hiC#は届くことが多いです。逆に地声hiA#が限界ギリギリだと、そこから裏声へ切り替える余裕がなくなります。
自分の地声最高音がhiA#に届くか分からない人は、まず自分の音域の正しい調べ方で最低音と地声最高音を測ってから原曲キーに挑むか下げるかを決めましょう。あてずっぽうでキーを選ぶより、実測してから判断したほうが確実です。
キーを下げるのは−4まで、女性は+2か+3に上げて歌う
地声hiA#が出ない場合はキーを下げます。目安は下記の通りです。
男性の目安
| 地声最高音の実測 | 推奨キー |
|---|---|
| hiA#が余裕で出る | 原曲キー(±0) |
| mid2G#〜hiAが限界 | −1〜−2 |
| mid2F#〜mid2Gが限界 | −3〜−4 |
女性の目安
女性は原曲キーだと低すぎて地声がスカスカになりがちです。上げ幅は+2か+3が目安ですが、高い側と低い側の両方がちょうど収まるキーはありません。
+2なら地声最高音はhiC(C5)で女性の平均的な上限に収まる一方、最低音がmid1D#(D#3)と平均的な下限(mid1E)より半音低くなります。+3なら最低音はmid1E(E3)に収まりますが、地声最高音がhiC#(C#5)と上限を半音超えます。高音がきつい人は+2、Bメロの低音が出にくい人は+3を選んでください。
この表は「実測した地声最高音」があってはじめて使えます。まだ自分の数字を持っていない方は、自分の音域の調べ方で地声最高音・裏声最高音・最低音の3つを出しておくと、hiA#との差からキーを何個下げるかがそのまま計算できます。
下げるときの注意として、−5より下げると今度は最低音mid1C#が低くなりすぎて、Bメロの低音が地声で出しづらくなることがあります(最低音は−4でmid1A、−6でlowGまで下がります)。高音を楽にした結果、低音が潰れて全体がこもるようでは本末転倒なので、下げすぎの境界は−4あたりと考えてください。
キーの上げ下げの考え方はカラオケでキーを下げるのはダサい?男女別の目安にまとめています。
喉が締まる・裏返る・息が続かない、症状別の難所対策
サビの地声hiA#で喉が締まる場合
hiA#で力んで張り上げると声が詰まり、続く裏声への切り替えも失敗します。地声の高音で喉が締まる癖がある人は、高音で喉が締まる・張り上げの改善で、力まずに高音を当てる感覚を先に身につけておくと安定します。
地声hiA#→裏声hiC#の切り替えで裏返る場合
シャルル最大の難所です。地声から裏声へ移る瞬間に声がひっくり返ったり、裏声がスカスカになったりする人は、切り替えポイントを一定の力加減で通過する練習が効きます。声が裏返る・換声点をなめらかにするを参考に、地声と裏声の境目を滑らかにつなぐ感覚を作りましょう。ここが決まるとサビの印象が一気に変わります。
言葉数の多さで息が続かない場合
テンポが速く言葉が詰まっているため、息継ぎの場所を決めておかないとサビ後半で失速します。どこで息を取るかを固定する考え方は歌の息継ぎのコツを参考にしてください。
音域が近い曲は、裏声の切り替えも似た青のすみかから
シャルルは地声hiA#前後がピークで、裏声との切り替えが鍵になる曲です。当サイトに音域記事がある曲のうち、地声最高音がシャルルと半音以内で、裏声との行き来がある3曲を挙げます。
- 青のすみか(キタニタツヤ):lowG#〜hiA#、裏声hiC#。地声と裏声の最高音がどちらもシャルルと同じで、地声と裏声を瞬時に行き来する点も共通しています。
- ひまわりの約束(秦基博):mid1D#〜hiA#、裏声hiA#。地声最高音が同じで、裏声はAメロに出てきます。
- Lemon(米津玄師):mid1B〜hiB、裏声hiB。地声最高音は半音高く、サビのたびに地声から裏声へ切り替える曲です。
3曲とも、地声の高さと裏声への切り替えを同時に求められる点がシャルルと重なります。
最後に:録音して自分の切り替えを確認しよう
シャルルは地声と裏声の切り替えが命なので、自分では「出せているつもり」でも、実際には裏返っていたり裏声がスカスカだったりすることが多い曲です。そこで有効なのが録音です。一度自分の歌を録音して聴き返すと、切り替えの粗さや高音の締まりが客観的に分かります。
さらに、自分の声のどこに癖があるのかを知っておくと練習の的が絞れます。声のクセ診断(4タイプ)で自分のタイプを把握してから、上のコツを回すと改善が早くなります。録音して聴き返す→弱点を直す→また録音する、というループを回していきましょう。
シャルルの切り替えがまだ安定しないうちは、カラオケで歌いやすい曲22選【音域一覧】で地声と裏声の最高音を見比べて、先に歌う一曲を男女別に選んでおく手もあります。



